深夜のモンスター育成期②
前回までのあらすじ
ブリーダーになった私はLA・LAに出会う。
調教助手のホリイと一緒にLA・LAを育て、大会で初優勝。
調子に乗った私は、次々とLA・LAを戦わせるのであった。
だが、そこに立ち憚るニート。
LA・LAはニートによって砕け、入院するのであった。
LA・LAが退院した。
LA・LAは元気らしい。とりあえず良かった。
だけれども、私は分からなかった。
このかた、私は動物を飼ったことがない。
ましてやモンスターなど育てたことがなかった。
強敵を目の前にして、私はLA・LAをどのように育てればいいのか分からなかった。
どう育てても勝てないのではないか。
そう思ったのだった。
LA・LAからの信頼もガクッと落ちてしまった。
今まで気付きあげた信頼は脆く儚かったのだ。
私はふと思い出した。
モンスターファームは副業だ。
お金を稼ぐためにやっているのだ。
モンスターはただその道具に過ぎないと。
私は心を無にして、LA・LAを職場へと向かわせたのだった。
当然ながら、ファイトマネーの方が効率が良い。
だから、大会にも出場させた。
どうやらLA・LAの名は馳せてきており、
見ただけで、戦うのを辞める輩が出てきた。
それでいい。
その方が効率良く稼げる。
その気持ちも束の間。
この大会には宿敵も出場していたのだ。
偽ゴジラ。
もう幾度も顔を見合わせた仲だ。
勝ったことは無い。だけど今のLA・LAなら勝てる様な気がしたのだ。
負けた。またもや惜敗。
しかし、神は見ていた。
もう一度戦うチャンスをくれたのだ。
これこそ主人公。
勝つに決まっていた。
負けた。
またも負けた。
励ましたくも叱りたくもなかった。
やっぱり悔しいのだ。
こうなったらとことんアイツをやっつけてやろうじゎないか。この際、お金などどうでもいい。
そう思った私は、少ない所持金でLA・LAを修行に行かせるのだった。
当然だ。今の実力では公式戦に出たところで、優勝など出来ない。
勝たなければ意味がないんだ。
修行が終わったら、仕事に出し、仕事が終わったら、また修行に行かせた。
スパルタだ。むしろ今までが優し過ぎたのだ。
LA・LAは確実に力を付けていった。
そしてLA・LAは迷子になった。
どうしよう。でも待つことしか出来なかった。
月日は流れ、LA・LAは死んだ。
突然のことだった。
Cランクの大会、最終戦。
LA・LA敗北。そして死ぬ。
悲しかった。いつまでも生きてくれると思った。